▲エルピス




宮田が帰宅した時、子供はそのまま居間にいた。


それがどういう意思表示なのか、昼過ぎに掴み取った黒衣を被りなおした状態で沈鬱とソファに座している。 白い着物がぼんやりと浮かび、頭は闇に沈みこみ、それから伺え知れる感情は少ない。 諦めたのか、何かまだ考えているのか。掠めていった疑問を無視して、宮田は敷居を跨ぐ。内側の壁をさぐり、電気をつけた。 部屋が明るくなった後も、ただただ頑なな態度で沈黙を続けるその隣を通り過ぎ、手荷物をテーブルへと置いた。

前の時のように先に否子の部屋ではなく、居間のほうを確認しておいて正解だった。 昼間、従順の仮面を剥ぎ取って、体裁をもなくして叫んだ面影はもはや無い。 それはまるで、昨日までのなんの問題もなかった生活に戻ったかのような錯覚を起こしそうになる。 けれど、そんなわけがない。彼女はただ居るのではなく、こちらの出方を待っているのだ。 それが分かるくらいに夜の暗闇のなかで、ただただ宮田の帰宅を待った彼女の意固地さを宮田は既に知っていた。

数時間前に冷静さを失って、握りしめていた掌は開かれたまま膝の上にある。 すっと伸びた背筋と共に、これは、神代から預かったこれからを聞く様子だ。 同時に、それが諦めであるはずがない、と無視したはずの疑問に答えを得た。


“手を叩かれてもまた、同じように手を伸ばして掴もうとする。それは、愚かしいだろうか?”


宮田には、黒い布の内で、昼間みた火の明かりが縫い目を掻い潜って火の粉のように光って見える。 それを捉えても、怒りを抱いたはずの言葉は、今ではなんの火薬にも薪にもならなかった。 宮田は目を細めた後、何も口にせず、その姿から顔を反らして、奥へと向かった。


随従して、宮田は、帰りの道すがら、想像のなかでは空の家に何度も出くわしていた。 家に着いたら神代に連絡をとって、村人を駆り立て、居なくなっただろう否子を探す工面がありありと。

しかし、空の否子の部屋でなく居間を選び、そこに昼子は居た。 それは、宮田には意外ではあったが、ほっとしたにはした。 きっと夜通し行われるだろう探索がよぎって、さらに頭を痛めずにすんだのだ。

だが、出鼻はくじかれた。
居なくなった昼子を探し、捕獲する工面は思い描けても、 家にいる昼子にこの後のことを告げる言葉はまだ考えていない。 その宣告を待って昼子が作り出した息を吐くのにも躊躇しそうなほど張りつめた空間が息苦しい。


そうなると果たして帰宅して言葉を考えもせずに、一番にここへと来たことは正解だったのか。 こうして自分の言葉を待って無言でいる昼子にむかって、話を切り出すのを先送りにしていることから考えると、 どちらが正解だったか。―――いや、それではまるで。 宮田は違う意味で頭が痛くなった。“否子”が指定された家にいることが間違いのようだ。


「…夕食は摂られましたか?」


結局、考えあぐねて、飛び出してきたのは愚問だった。
手伝いの者が作り置いた手つかずの二組の夕食はただ冷えている。


「神代の家は何て」


当然、昼子は問いを皮切りに、首を捻って振り返り、口を開いてくる。 本人にとってみれば、本家の決定は死活問題だろう。それを恐ろしいとも訊かずにはいられない。 それが分かると同時に、宮田は、長い長い息を吐き出してしまいそうになって意図せず力を籠らせた。

「……」

考えてみれば、昼子には、この部屋にも、家にも居らず、 神代の命令で捕まり、問答無用に監禁でも天戸へでも行くことになれば“宮田”には都合がよかった。

今日は急患があったわけでもない。患者が特別多かったわけでもない。山狩りの予定もなくなった。 この重い疲労感は、子供の手の込んだお話と“愚かな男”が原因で、観念して振り向けば、 子供は、悪戯の後ろめたさもなく宮田の返答に息を飲んで待っている。


―――どうかしている。


宮田は、髪を長く下ろしたこの子供と同じ顔をした双子の妹が尋ねたときのように、 追求を逃れ、逃げようとする瞳を瞼の奥へと押し込めた。


言ってしまえば簡単なこと。

昼子が恐れているような答えを、宮田は預かって来てはいないのだ。




***



宮田が失態に気がついたのは神代の当主を前にして深々と頭を下げている時だった。

美耶子の診察を終え、その日の夕方、 一通りの挨拶をし、当主と向かい合えば、ほぼいつものと同じような診察結果を述べ、 神の花嫁である少女が健康体であること、御印の兆しはまだであることを宮田は告げた。 神代家当主はただ黙ってそれを聞いている。

次に、昼子の言動について宮田は述べて今後の対策を決める予定だったが、 いざ、当主に告げるとなると、報告がなかなか脳内でまとまり切れないままだった。

昼子の不審な言動、妄想ともいえる予知。それらをありのまま伝えればいい話なのだろうが、 伝えるにあたり、目の前に座る当主が神代についてどこまで知っているのかがわからないのがまず障害になった。 昼子に言わせればこれも“呪い”だろうか、神代では代々女しか産まれないと言われている。 当主と言えども、神代政太郎は婿という立場だ。神代は生家ではない。

そうだとして、代々の入り婿達はどこまで知ることになるのか。 昼子の言うことが本当であるならば、妻となる女が神に血肉を内包しており、不完全な不死であり、 将来、その女が地下洞窟の奥で死にきれないものになるのを知っているのか。

それを計るということが話の真実性を自らが肯定していると示しているようだというのも、 昼子に予言の助言を言った手前、宮田は、いい気分ではなかった。 しかし判断を誤り、全て伝えたところで、 「否子のそんな戯言を信じたのか」と何も知らなかった当主に言われればそれまでだ。


そもそも、昼子の妄想がどこまで真実なのか。 すくなくとも“屍人”というらしい化け物が実在していることを、 自分は否定しきれる立場ではないということは確かだった。

しかし、イコール来年、儀式が行われ、村が壊滅するという予言を肯定しているわけではない。 加えて、屍人が存在するからと言って、神代の人間が不完全な不死であると決定しているわけでもない。 ただ、“宮田”が神代に盲従し、法に触れる“汚れ役”を行うのは真実であり、 神代の娘である美耶子に幻視という異能があり、異能を持つ少女が儀式によって、 その生涯を強制的に閉じられるのも、事実。


結局、突き詰めれば、宮田の立場は自らが思っていたよりも安定していないのだ。 否定されるものの代表格は来年の災厄。だが、それは、昼子にも言った通り、来年になれば白黒はっきりする。 そして、もし、昼子が言うように村が異界へと飲まれるようなことがあれば、 ほぼ、昼子が言ってたことは肯定されることになるのだろう。

話にならないと告げた手前ではあるが、前提を抜かした昼子の話は、宮田には、やはり興味深かった。 特に、夜に眠ると必ず聞こえてくる女の声と見える二つ揃いの土偶、それに一致するような話の部分。 あの夢のことを宮田は誰かに話たことなどない。昼子の話の発生源が己の頭だというのなら、 宮田の夢の発生源も狂った自分の頭だ。しかし、別の人物でそれが一致しているとなると…。 村の奇妙な現象や、屍人という化け物のこともある。まだ、監禁なら、来年に白黒をつけるまでどうにかなるが、 まざまざ神代を煽って、天戸へとあの子供を突き落とすことは、果たして賢明だろうか?


そして、それらの考えの他に、当主との会談の初めに、昼子をこの場に連れてこなかったという 自らの失態に気がついてからは、苦味の広がった宮田の口は重くなっていた。 これらの話を伝えたあとで、当主が昼子を監禁する、天戸へと送るという決定を神代が下したとして、 宮田に縋って、それを否定された後のひとりっきりの昼子が、家から姿を消していないという保証がなかった。 話をするにしたってあの時の感情のまま、昼子の身柄を捕えた上でここに連れてきて、 先に言った通り、昼子自身に当主の前で講釈をさせればよかった。と、ようやく思いいたって愕然とした。

なぜ、こんなことに気がつかなかったのか。
昼子との話で感情が混乱していなかったと言えば嘘になる。それだって信じがたいことだ。
それなのに、まだ、昼子が否子として従順だったという幻想が残っていたのか、習慣のせいか、

それとも、服を掴んできたあの手を振り払うことに神経を裂いたからか。

それにしたって、


―――どうかしている。




「―――それから、……否子の件ですが」


「何か問題でも起きたか」



美耶子の報告が終わり、意を決めて切り出すと、当主の声にはわずかにうんざりとした気配を滲ませて宮田を一瞥した。 部屋の雰囲気も美耶子の体調の話のときよりかは軽い。それが何故か癇に障った。


「以前よりあったそうですが、昼間、私が医院へ勤務している間に
 昼子様は部屋を抜け出して村を練り歩いているそうで」

「…知らなかったのか」


思わず刺を隠しそこねて言うと、当主は意外そうに、
しかし、神経質に眉を上げて、こちらを値踏みするかのような表情をする。


「その通りだ。ここに居たときから既に村の中を徘徊していた」

「よろしいのですか?」

「村からは出んだろう。…今更、肉親恋しで家に寄りつくわけでもない、放っておいて構わない」

「…儀式になにか支障が生じるかもしれません」

「宮田」


当主の声はいぶかしんで低く、宮田は視線を上げた。


「何が言いたい」


当主は、明らかな苛立ちと敵意を込めた表情をしていた。
昼子へのものではない。“儀式の失敗”を口にした宮田へ向けたものだ。

「儀式に支障だと?

 儀式に参加するわけでもない宮田の家の倅のお前に何が分かる。
 …我々は最善を尽くしてきた。前回から今まで25年以上もかけてだ。
 それは御主様の怒りに触れずに今まで村が無事なことが証明しているだろう。

 お前も、村人も、誰のお陰で今の今まで生きてこれたと思っている?」

問いかけながらも、当主の目はどこか浮ついて、視線は交り合わず、
病的に当主は続けた。

「…美耶子の力は強い。あの娘さえ、あの娘と姉の亜矢子が居れば。
 儀式さえ終われば次まで村は安泰だ。昼子への執着は邪魔だがあんな小娘に何ができるというのだ。
 失敗などありえない。昼子などで。見ての通り、せいぜい余生を惜しんで村を歩きまわるくらいだ。

 間違えるなよ、宮田の倅。重要なのは美耶子だ。

 そうすれば、前回のような悲劇を村に起こさずにすむ。
 そう、最悪、昼子は村を出てしまっても構わん。」


言い切る当主は強張った顔に、常軌を逸した、ぬたった光がともった目をし、
歯を食いしばって言った。


「あの娘に御主様の愛はないのだから」


【聖婚の儀】

神代家の姉妹の内、神の花嫁である妹に初経が訪れた後に行われる儀式。
姉は神代の血を絶やさぬように外の家から迎え入れた男子と。
妹は神のもとへと向かう。



***



その時の当主は、儀式の失敗に、明らかに恐慌をきたしていた。
そして、結局、宮田が、昼子の言う村の壊滅を当主に口にすることはできなくなった。


今から26年前の儀式の失敗。

まだ若輩者だったはずの現当主と神代の娘は、当時14の生贄の妹に逃げられ、村の災害に立ち会った。 その災害から生き残り、村の権力者として村を纏める役目である神代の当主として振る舞わなければならなけなった時、 力を振りかざすその瞬間、この当主は、儀式の失敗をしっているはずの従順に見える村人の心の内を探らずにいられただろうか。 村の老人達が囁き、姿を見せれば澄ました顔で頭を下げながらも、呪いだなんだと10年長女を身ごもらなかったことをなじられ、 実の妹の過ちに煮え湯を飲み続けた神代の娘が、“異例の子”を受け入れられようか。これらの結果は想像に難くない。

村での権力者でありながら村に犠牲を出したという汚点を注ぐ負荷は、やがて自らの持ち物の内の何かを殺した。 心であり、命でありだ。ただし、信仰だけは失えなかった。それが自らを負荷から救う盾であり、 そして、なにより、神への懐疑が儀式の失敗につながることを恐れるからだ。―――歪な信仰。

来年27になる宮田自身にその災害の記憶は無い。話には聞いている。 その時、赤ん坊で分別もつかなかった自分について思うことがないわけじゃない。 が、それでも、実際に体験した記憶を持つ人間とでは印象が違ってあたり前だった。

二度目の儀式の失敗を恐れる神代政太郎にその禁忌をまず口に出したのが間違いだった。 その後も、頑なに男は儀式の失敗を否定し、果てには必要なく宮田を勘ぐった。


「まさか、あの娘に同情でもしているのか?」


そう言った当主が見ていたのは宮田の顔だ。くだらない誤解をしていると直ぐに気がついた。 神代以外の村での有力者達の事情など男には筒抜けなのだろう。 それが例えば自分に次ぐ二つの家のことならなおさらにだ。

しかし、己の恐れのために可能性を潰しきらなければいらない男のほうがよほど愚かだ。

「いえ、そうではありません」

「そうか」

言い切った宮田に当主はしたり頷いてから、続けて、“宮田”に下した。

「お前は“宮田”だ。疑問を持つな、呵責を持つな。神代と教会に従い、是を示せ」

――――――。

その時、過ぎ去っていった奇妙な感覚は、長く、宮田の胸に居座って、口を開く機会を奪い去った。 結局、いつもと同じように報告を済ませて、不気味な風鳴りの響く屋敷から出た。 次に訪問する家を目指し運転する車の中で、昼子に絆された訳ではないだろうと考えた。 では何故、当主に異界の話をしなかったのか。 己の恐れのために可能性を徹底的に潰す男を愚かに思い、昼子の言う、曖昧にしかなれないが、 少なくとも、今はまだ存在している可能性を惜しんだか。単純に男の邪知に嫌気がしたか。 それとも、“疑問を持たず、呵責を持たず、従って是を示し”という命令に従ったに過ぎないのかもしれない。 そうだとしても、“訊かれなかったから答えず”など、どこの子供の言い訳だ。

―――どうかしている。

ずっとその一念ばかり。
自覚はあるが、わざわざ帰宅してすぐに電話をする気にも宮田はなれない。 大層、疲れている。それに気付かずに、神代からの返答を持ってきたであろう宮田の言葉を 犬のように待っている子供に向かって、なおざりになりながら、それを告げた。

「昼子様の奇行はいつもの通りだと。だから、構う必要なしと承りました。」

声も出ず驚いているのが黒衣をめくらなくともわかった。
昼子は、何て言ったらいいのか考え、首を傾げて迷うそぶりをみせる。

「それだけ…? あの、異界についてはなにか」

「異界については申し上げませんでした」

「ど、どうして」

「失礼を承知で言いますが、貴女の話は、大半が現実みのない話です。
 …神代に“宮田”の正気を疑われては俺が困る」

小さく「えぇ」という歓声が布のなかでぐももった。手を前でわなわなとさせ、それも止まると、呆然。 宮田は大きく、一日で溜まった息を吐き、何か言いたげな昼子を忌々しく見た。

「昼子様は、よく外を歩きまわれるそうで?」

黒い袋をかぶった頭はこっくりと縦に揺れる。

「…それは、私は、知りませんでした。
 村の人間は、もう慣れきっているらしいですが、控えたほうがよろしいかと思います」

これに関して、首は縦にも横にも振られなかった。
窘める気にもなれない。

「……それから、今後のことですが、何か必要なものがありましたら、
 まず私に伝えてください。可能であればこちらで用意します」

「…どうしてですか」

「そもそも、昼子様の生活費は神代からいくらか預かっているからですよ。
 また家の物に手を出されては堪りません」

言い終わると、動かず、暫く沈黙していた袋が、こくっと、再び揺れ、 間を空けて、こくこくと頷いては顔に垂れ下がった幕が揺れる。 その布の下の表情を宮田は知らないし、今後も見ることはない。

「あ、ありが……いえ、ごめんなさい。よろしくお願いします」

聞いたことのない声。謝りながらも隠しきれない喜色を帯びた晴々しい、 けれどどこか泣きそうに震えている声。 長く患っていた人間が回復した時の家族の声に似ている。 意識不明のまま、何年も病室にいた患者が、知らない間に巡ってきた季節に誘われるように目を覚ました時のような。

まるで救われたみたいに。

ふと、これから話をするときはまず黒衣をとろうと宮田は思った。 彼女は案外と表情にでやすい。恐らく、昼子が知っていることは今日、話したことだけではないだろうし、 異界に飲まれたあとの準備やらを詳しく知っておくべきだろう。 表情はその話の真偽の判断基準になる。 宮田は口元を隠し、間違って目の前の男に感謝を向けようとした少女に言った。

「そう思うのでしたら、一つ。これはただの忠告です」


「はい」

これは救いではない。彼女らに救いなんてこない。
昼子の話が真実なら余計にそうだ。

そして、救いを与えるのは“宮田”ではない。


「貴女が言ったように、絶望とは、逃げられないものです。
 あがいても、あがくぶんだけ苦しくなる。
 どうあがこうと、貴方は美耶子様の予備であり、要らない子供なのは変わらない。


 早く慣れてしまうのが一番の得策ですよ」

無駄なことだとどこかで分かっていながら言っていた。
彼女はうつむいたあと、まっすぐに宮田を見上げる。


いつもこの二つだけ用意されている。


諦めるか、


「だからだと思います。追いつめられている。

 逃げられない。変えられない。だから……あがくんです」




あがいてみるのか。



【人間を愛した兄弟と残った希望】

ギリシア神話。
ゼウスが天界と地上をおさめるようになり、
ゼウスに味方したプロメテウスとエピメテウスの兄弟は地上の生物を作ることになった。
様々な生き物が作られ、空を飛ぶ翼や、鋭い爪、速く走れる足など、
素晴らしい能力を弟のエピメテウスはその生き物達に授けた。
最後に、自らの姿を模した生き物を兄弟は作ったが、与えられる能力がなくなってしまった後だった。
しかし“何も持たない彼ら”を愛した兄のプロメテウスは、天界の火を“人間”に与えることにした。

(中略)

プロメテウスがカウカソスの山頂に張り付けになる罰が決まったあと、彼は弟を案じて言った。
「ゼウスからの贈り物は貰うな」。天界から火を盗み、人間に与えたプロメテウスだけでなく、
弟のエピメテウスや人間自身にも罰を下すためにゼウスは動き出していた。

(中略)

かくして、神に創られた人間の女パンドラは、神に与えられた好奇心によって、
災いは箱から世界に広がり、人間を害し始める。
しかし、箱の中に残ったエルピスによって、人間は希望がついえることはなく、
箱を開けてしまったパンドラをエピメテウスは許し、愛し続けた。
二人の間にできた娘と、プロメテウスの息子は結婚し、後に起こる大洪水を二人で生き抜いて
今の人間の最初の二人となった。






【エルピス】

ギリシア神話。
パンドラが箱を開けてしまったがために災いの子供が飛び出し、
それを見て慌てたパンドラが箱を閉じ、それによって箱の中に残ったものがエルピスとされる。
エルピスとはギリシャ語で「予兆」「期待」「希望」と訳され、
予兆が箱の中に残ったために人間は未来を知ることはできず、
希望を失わずに絶望しないで生きていける希望という説や、
それこそがゼウスが望み、未来が絶望だと知らずに生き続ける人間に課した罰だという説もある。






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あとがき




ヽ(↑∀↑)ノココマデナガカッタナー!!!イチネンマエニ、ココマデススメヨウトシテタナンテ、クチガサケテモ
打倒堕辰子計画で、計画を持ちかけ易い人ランキングにおいて、何気に宮田先生は上位のような気がします。
事情をある程度知ってるというのもあるし、行動力もあるし、まぁ下手すると病院に監禁なわけなんですが。
ちなみに一位は多聞先生です。独自に拳銃を用意してくるあたりや、異界や屍人に対する勘、
もし、主人公が村の外の子で多聞先生と連絡を取れる立場だったらもっと素早く準備が整ったかと思います。
けど根本的に、主人公が外の子だったら、あがく理由が無いので、助言はしても、同行はしなかった…ような気もします。

マルチエンディングのゲームだったなら、18話で、「外で潜伏する…?」という考えが主人公に過ってたので、
多聞&依子のトリプル漫才ルートに入るならここだなって思う。(ただし、選ぶと宮田、美耶子フラグは総潰れ)