△禁忌
“世界を殺してはいけない!”
訪れた暗闇の中、作られた松明は明々とくべられるモノを食べながら人を照らした。
しかし、炎に照らされた世界はなんて醜いのだろう。
人々は再び世界に光が満ちてくれることを願い、その時を待った。
“それまで、我々は生き抜かなければならないのだ”
だから、我々は、
知らなければ幸せだと、耳を塞いで目を瞑り。
気づかなければ良かっただろうと、命を殺し。
産まれてこなければ苦しくもなかったのにと、泣く。
ごうごうと音を立てながら放り込まれる不必要なものを飲み込み火は育った。
地面を這い、空を舐め、恐ろしい怪物に背を向けて人は其れに放り込む。
恐れてはいけない。恐ろしいものだと知ってしまう。
振り向いてはいけない。恐ろしいものがどこにいるかわかってしまう。
どちらもしてしまった人間は可哀そうに。輪から抜け出した。
しかし、本当は誰だろうと知っていた。
例えば、今しがたようやく言葉を話すようになった乳飲み子も。
ゆるやかに下る坂か、身を躍らせる断崖絶壁か。
声を上げて撃たれるか、待ってみて腐敗するか。
“行く先は同じだけれど、それでも我々は幸せでありたい”
疑いという知恵と、貪欲な好奇心、それらが世界を滅ぼさないように火を囲んで人は踊る。
酸欠の頭をふらふらと、熱に潤む目でくらくらと、隣で揺れる温度に酔って。
そう思わなければ、きっと、喉を詰まらせて死んでしまう。
“ああ、世界はきっと美しい!”
書き直したい病を発症しつつ、とりあえず先に進め…よう、うん。
ああああ、書き直したい!あれとかそれとか!恥ずかしい!
切りが悪いですが、ここから宮田編!