あらすじ
新たな村長を迎え一年が過ぎた“らすぼす村”。条例や環境整備、公共事業も進み、村にはすずらんも咲く。 そんなある日、突如として爆音が鳴り響く。 ついに崩れた荒木荘の均衡。吉良のストレスの限界。押されるスイッチ。暴れる人外魔境。死ぬ男。微笑む神父。散滅する荒木荘。 そして、住処を失ったラスボス達は…
一応、村で一番大きかった村長の家に暫く居候することに。






「エジプトに旅行?このDIOを差し置いて?一体何をしに行ったのだ?」
「親睦も兼ねて、お隣の村のジョースターさん達とカイロに慰安旅行」
「……え?」
「ンンンン、土産はないのか?」
「エジプト村のスカラベ饅頭なら、ここに」
「それは……身も蓋もない国境を投げ打ったお土産だね。ありがとう。後でお茶を入れよう」
「あー、ここ私の家……手を離して」
「エジプトか、懐かしいな。こう死にまくる前は遺跡発掘のアルバイトに勤しんだものだ。
 ただ今は、ひたすら安全に過ごせる場所が欲しいが」
「意外、昔はアクティブ」
「君は天国に行きたいかい?なら、この家を私とDIOの新たな砦として提供することを私は勧めるよ。
 そうすることで君は見返りを得るんだ。天国への見返りを」
「ウチの村は信仰は自由です」
「もしもし?テレンス?もしもし?……返事がない……」


〜かくかくしかじか、荒木荘が無くなりました〜



「旅行から帰ると村の5人の男が路上で家無きっ子になっていた。
 何を言っているか分からないが私にもさっぱりわからない」





「私はごめんなんだよ!通行人の足にぶつからないように木の下に蹲ったりするようになるのは!
 眺めのいい、風に吹かれない……せめて屋根のあるところが最低条件だッ!」
「うすっぺらい藁の家ごときは相応しくない!」
「最後に太陽を見て怯える生活はもういやだーッ!」
「カメの中くらいは快適なのがいいな」
「家!それは奪うもの!そして天井から吸血鬼を逆さ吊りにして飾る!」
「WRY!?」


〜やいやい叫ぶ5人を自宅に突っ込み、とりあえず役所にお土産を届けに〜




「……行ったか?」
「むしろ、こっちのほうが広いな」
「フ〜、恥を忍んでした主張が効いたな。
 後で一人ひとつ私室も用意してくれるそうだ。暫くぶりに安心して熟睡できそうだ」
「ここが天国か」
「DIO。君が居ればどこだってそうなる」
「このカーズが住んでやるのだ。光栄に思えばよかろうなのだ」






通達
今回は自分たちで壊したということなので、自分たちで費用を稼いで貰うことになります。
費用は全額で500000ベル。工事の受注はすでにハニワ建設に済ませてあるので、
旧荒木荘跡地に設置してあるハニワ君に入金していってください。
住民からのカンパもあるかもしれませんが過度な期待はしないように。



「……取りあえず、今居るメンバーで割ると一人頭10万ということになるな」
「頑張れば直ぐに終わる。虫とか魚とか。人数も居るし、ぶっちゃけこの村の物価なら余裕だ」
「オレはまた死ぬのか……」
「ドッピオにやらせればよかろう」
「……」
「……だが、このDIOはあえて逆に考える」
「!」
「あのボロイ建物の一室を再建し、今の精神衛生上健康的なそれぞれの私室を失う事にメリットなどはない。
 むしろ、デメリットばかりだ。金も失う。プライベートも失う。無駄だ。無駄無駄。違うか?」
「まったくもって同意だな。せっかく落ち着ける部屋を得て、筋肉剥き出しの人外どもから解放されたというのに」
「ということは、だ。彼女にはこの家で健やかに過ごせるよう、押し上げる存在になって貰うっていう事だね」
「無駄無駄言うな。しかし、まったく入金を渋っているというのも、え?どうだ?怪しむんじゃあないのか?
 また、野宿に戻るのは嫌だぞ。サソリ…タランチュラ…今死んだら、玄関の跡地に放りだされるのかオレは?」
「……試してみるか?みるかァ?みィ・るゥ・のかァ」
「オレの傍に近寄るなぁあ――ッ!」






「ただいま帰りました。あのー玄関の前でディアボロさんが咽び泣いてたんだけど誰か理由知りません?」
「なんだ、良かったじゃないか、蘇る場所も更新されて。ああ、お茶だよ
「蘇ったならさっさと入って来ればいいだろうに。まあいい。饅頭だけでは足らんところだ」
「近寄るなぁあ――ッ!」
「どうも。あ、そうだ、今日はいくら入金できたんです?」
「「「1ベル」」」



荒木荘再建費用残り:499999ベル






*補足:直ぐに収穫できるリンゴの売価が一つ100〜500ベル。
     昆虫、カブトムシの売価が1350ベル。一匹一万ベルを超える虫もいるなかで、
     このラスボス等が入金したのは1ベルである。