*あらゆる死因が話の中心です。一部虫注意。(検索してはならない言葉とかそういうのの類)











アパートを出て街に出ると、雹の被害に人々は街角で歓声や怒号を上げていた。

窓ガラスや車のフロントが割れ、その破片が路地の端に除けられた氷の掃き溜めに混ざりこんでいる。
そこを歩んでいかなければならない二人は、もう、常のように転び、道々突っ込んだ。 発見されるガラス片はいつだって急所近くで、それを拾っては別の場所に除けて置いておくのを繰り返して歩む。

放浪に目的地は無く、ただただ災難が不自然に集中しないよう歩き続けるだけだったが、二人はまず繁華街へと向かっていった。 人も集まり、災難も多種多様になりそうで、趣旨にはそぐわないのかもしれないが、男と出会った昨日の昼から夕方、そして夜にも朝にも、何にも食事と呼べるものがなく、は既に唾を飲み込むと、目の回るような空腹感に襲われた。

今までの経験から食べ物の備蓄は買っておくと無駄になってしまう事が多いので、アパートにはまったくなく、こんな有事の朝にもやってそうなのは、 繁華街にある大型食料品店くらい。 だから、図らずも管理人の老女に言った通りになりそうで、 は、自分と同じかそれ以上、何も食べてない男にも空腹感があるだろうと、 何か食べたいものはあるか訊く事から舵を取ってみることにした。
ところが男は「食事、たべもの」と繰り返すと、逆に青ざめる。訊いてもプライドが許さないのか絶対口を開かなかったが、 食事で死ぬこともあるのだろうと予想はついてしまった。 ……そんな彼にも福音だったのは、虫歯をも防ぐのスタンドは、恐らく食事に関しても有効で、毒や菌の死因は防げそうだという点だろう。 男も最終的には食料品店に向かう事に頷いた。餓死にはまだ程遠いが、腹ごしらえは重要だ。


しかし、結論から言えば、食料品店での買い物はできずじまいだった。
店には辿り着き、そして、予想通りに開いていたが、入荷しすぎたトマトのホール缶の山が頭の上から崩れてくるとか、 棚の裏側で起こった修羅場の余波で棚が倒れて下敷きになるとか、災難がここぞとやってきて、 お詫びという体面で連れられて来た事務所で、買うはずだった惣菜に針が混入しているのを見つけ、 てんてこ舞いになった店のなかで、ずっと手を繋いでいる所を危うく気にされ、 怪しむ目からもういいです、と店を出ようとしたら、肩掛けカバンからいつの間にか入っていた清算前の商品が床に落っこちた。 その瞬間、電気に打たれたような衝撃が走り、商品を拾い、ギョッとした顔の店長に投げ、混乱のまま多国語で喚いて店を走って逃げ出して来た。

なぜ、投げた。

普通に棚の下敷きになった時に入ったのかもしれないと身振り手振り説明すればよかったのに。もうあのお店には行けない。 そのまま、すきっ腹で勢い潰えて、漂うように店の裏に位置する公園に辿り着いて、身悶えた。 空っぽの胃が縮み、情けない気分に陥る。

その胃の慰めになったのは、丁度いいところに香ってきたいい匂いだった。 その公園には軽食の屋台が出ていて、気が付けば食料品店で時間を浪費した分、公園の道はすっかり片付き終わっていた。 広場の近く、昨日の氷の礫からはどこかで身をしのいだらしい無傷の移動販売車は、毎日の延長線としてパンの調理、販売をしはじめていた。




**




「じっくり死ぬ死に方って何があると思う?」

その質問をしたのは、草を食う草食動物のように買ったパンを無心に食べ、半ば過ぎてからだった。
指さしと手真似でなんとか白身魚と玉ねぎのオープンサンドを注文し、二人は喉に詰まらせないようにチビチビと食べた。片手だと難しい食事や財布の開け閉めも、もう二本腕があると言ってもいいスタンドがいると滞りなく、スタンドって便利だ、と、空腹を満たしながらは改めて素朴に思っていた。

男はというと、大きな手でパンを二つ折りにしてこちらも詰まらせないように丁寧に咀嚼していた。最初はまじまじと目の前の食べ物を観察して恐る恐るしていたそれも、まともな食事とわかると黙々と口を動かしていく。

既に午後に近く、学校が休校になったのか他の子供の姿や声もあり、天気は少し肌寒いが、晴れ過ぎず曇り過ぎない空をしていて、災難と災難の丁度境目だったのか、つかの間の平穏を過ごした。 座って食事がとれたのは運が良かったとは心の底から思った。

一つの災難が終わると次の災難までのまちまちの猶予は今までもあったが、参考になるほど一律ではない。 息を吐かせずに次がくることもあれば、音沙汰のない静かさにじれることもあった。 逆に、災難中は、ほかの災難が追加されるような事はない。 だからこそ、ガスで窒息する過程の約10時間は寝られたのだろう。 次に来る災難がすでに進行していたという場合もあって、見分けが難しいが、 死へと向かう過程が長い死因のほうが、結果的には平穏に過ごせる時間が長いのかもしれない。 記憶を探ると本当にその通りのようで、思いついたは「ねえ、ねえ、」と食べるのを中断し、隣に訊ねてみたのだった。

じっくり死ぬ死に方。

これを逆手にとって、自分でガス部屋か何か作り、“壁”のなかの酸素が無くなるまで待機し、苦しくなり始めたら息継ぎをするとかはどうだろう? 自分で、自分の死の装置を作り出すのは、ただ危険を増やすだけの間抜けな行為になる可能性もあるだろう。 しかし、これは良いアイデアかもしれないと彼女は思い込んでしまっていた。
答えは直ぐに返ってきた。

餓死、出血死、窒息死、溺死、致死量ギリギリでの毒死、意図的な拷問、 優れたパイロットによる延命を繰り返す飛行能力を失った飛行機での墜落死、凍死、 肉食獣による捕食、特に狩りに慣れない若い個体はなかなか致命傷を負わせられない、弱火の焼死、病死、狂死……。

一足早くパンを腹に収めていた男は淀みなく、
いっそ止めを刺して欲しいそれら死因の羅列に「もういい」とは首を横に振らなければならなかった。

世の中って怖い。

油断すればあらゆる死が体にこびりつきそうで少女はひとりごちた。
とても手を出してみる気にはならないはパンの最後の一口を死んだ目で一心に噛み砕くだく努力をした。 そんな彼女を男は不審と観察をするような目で見て、何かを思い、そして、暫くして気づかれないように遠くに視線を向け直していた。




**




その後も放浪は続いた。

腹も膨れ、今度こそ人目の少ない郊外へと二人は歩いていくことにした。
濡れた新聞に転びながら、鋭いガラスの切っ先にぶつかりながら、景色も相応しげになってきている。
路上駐車のない広々とした道路に、静かな一軒家が所々、なだらかな丘は濡れた芝生が覆っていて、時折境目のように細い幹の林と水嵩の高い小さな湖があった。 長閑だったが、そこを延々と歩き続けていると、代り映えのしない風景に思えてくる。 とくに災難も、気が付けば過ぎていくものも多かったに違いなかった。

毒のある虫達がいる。
一度目は命は取らずとも二度目は強く反応する体の免疫によって 死に至るかもしれない毒針を持つ蜂が二人の周りを三回旋回して近づけないと分かると離れていった。 体に卵を植え付ける虫がいる。その中には、人の体の中で成長し、 切除も退治もできないままに分裂して増えていき内臓や脳をすっかり食べてしまうものもいるらしいが、その成虫がどんな姿をしているのかまだわかっておらず、 近づいてきた虫をなんとなし払っていたはそんな事実は知らなかった。 血を吸う虫がいる。昔から彼らは病気の仲介人として悪名高く、説明はもはやいらないだろう。また、植物も侮れなかった。

毒のある植物がある。
これらは自らが口にしなければなんの問題にもならないと思われがちだが、 触っただけで火傷と同じ症状を引き起こすジャイアント・ホグウィードという恐ろしい植物が存在している。 背の高い白い花をつけた平凡な姿をしているが、触ればV度の火傷と同等に皮膚が溶け、激しい痛みに襲われ、その痛みが数年続く場合もあり、 この植物が群生した一見穏やかな緑と白の丘を自然愛好家さながら転げまわったりした日には全身火傷でのたうち回る事になるだろう。 それから、罠として植物は優秀だった。トゲを使い足止めをし、皮の硬い実を落とし、しなりを活かして絡めとり、弾ける種を使って目を盲目にする。 一寸先は闇とばかりに罠によって転び進んだ先には有毒な植物があって、口や傷口に入り込むかもしれないし、 そもそもその先は崖かもしれない。ジャイアント・ホグウィードの群生地かもしれない。

“壁”があったはその一片だって知らなかったが最悪の可能性に敏感な男は殆どに想像足りえて、 全てを免れると何が何だかわかっていないで疲れた足を揉んでいる少女に、おののくような呻吟を漏らしていた。 ずっと全身が柔らかい鉛に包まれていたような少女は、いづれの時も疎く鈍く、彼には理解の難しい生き物に思えたのかもしれない。



**



そろそろ、郊外をずっと回り続けるのも苦痛だとが訴え始めた頃、
男は、早朝した質問をもう一度してきた。

「報酬について決めたのか?」

木に寄りかかるのも、泉の淵のちょうどいい石に腰掛けるのも、警戒し始めていたは、いっそのこと男に寄りかかって休憩をとっていた。道の端っこの芝生に座って貰い、腕をどかして横っ腹に肩を預けて足を解放する。 「絶対、筋肉痛になる」と呻くと「筋肉痛にはなるのか」と男は浅い息を吐いていた。疲れてはいるようだがよりかは余裕がある。しかし、その質問に、前と変わらない答えを返すと、彼は予想外にも、心からの困惑を示した。

「欲しいものくらい、あるだろう? 
 信用出来ないから言わないのか? 言うだけ言ってみればいい。
 無いのか? そういう信仰でも持っているとでもいうのか?」

「何故だ」と沈黙を許さず問う。
しかし、は「お金……」と煮え切らないうなり声を上げるだけだった。 少女には欲しいものもあれば、それをお金が容易く叶えられる事も知っていた。にも例外なくお金は魅力的になりえる。礼をしてくれるっていうのなら、ちょっとくらいなら…とは考えていて、思わず縛られている自分の手を見つめた。すると、男は少しだけ胸を撫でおろしたようだった。 「なら、報酬は金にしよう」頷き、これで万事締結して覆らなくしてしまうような気がして、慌てて体を起こして、口を挟んだ。 なんでこの人は、そんなに報酬を決めたがるのか。

「その事は、今じゃなくてもいい気がするんだけど、違うの?
 報酬よりも、早く解決する方法とか、やり過ごす方法とか考えなきゃ。
 報酬については、全部終わったら、で、いいんじゃないの?」

男が金持ちなのかそうでないのか、払えるのか嘘なのかは別にしても、男が生き残らなければ意味がない。
が言うと「報酬があるからこそ……」男は口を開き、存外、戸惑った様子だった。

「対価があるからこそ、人は働くものだろう? 
 善意だとか親切だとか、哀れみ……も、そうだろうが、そういう感情よりも、
 得るものがあったほうが、確実にやる気が生まれるだろう?
 報酬、または、損失があるからこそ約束事は守られる。
 そうでなけりゃ、誰が秩序なんか堅苦しいもの守るんだ?

 しかし、信頼には納得が必要だとも。
 ……報酬を支払える証明を示す事が、おれは、今は、出来ないというのもあるが、
 お前の働きに報いるのに必要な物を知っておければ、備えていられるし、
 お前も、何も貰えないより、「貰えるかも」、くらいに思っておければ、
 少しはマシな気分になれるんじゃあないのか? 違うか?」

断定的な意見を持って言っているはずが、男にはどこかに懸念があって、最後には確かめるようにに問いかけていた。 言われて、そうかもなぁ、とは12の少女は、思ったが、やっぱり首は横を振ってしまう。 貰える、貰えないにしても、こうなったらもうやる事は一緒だろう。 無欲とは言えないが、「報酬貰えないの? じゃあ、どこでも好きなように死んで」とはとても言えないし、そういう人間性を信じる事にした。

反面、男の表情は曇った。
まるで、こいつもそうなのか?と言うような疑いの視線で見て、見極めようとしていた。 そういう部類にある種の恐怖を抱き、一般的な損得の通じない人間との交渉は骨が折れる事を男は知っているのだ。

「……時折、理解できない決断を下す連中が、世の中には居るな」

ひたり、と。奥底にしまい込んだ底なし沼の記憶に落ちてしまわないように、用心深く浅く探るように男は呟いた。

「自ら損に飛び込みながら、自分は間違っちゃいないと死んでいく連中だ。
 損得もわからない馬鹿とは違って、選んだ方で何があるのかわかった上で奴らは飛び込んでいく。

 ああいう手合いは自分は死なないと思い込んでいるからなのか?
 それとも損の先に死んでも手に入れたい価値のある報酬があったからなのか?」

自分は多分そういうのではないけれど。
“壁”があるし。

しかし、問われているらしい。
壁を持つ少女は男の言う質問について考えてみたが、良い例題も浮かばず、しっかりとした答えはでなかった。 頭の中では、命綱のない綱渡りの新記録へ素人が挑戦とか想像してみたが、これが相応しいかというと、そういうのは、 スポンサーだとか、名誉だとか、言った手前とか、で色々複雑なのではないだろうか。

「わかんないよ。 その人がどう思ってたかなんて。
 どういうことがあったかもわからないし……」

ただ、死なないにしても、損と得の内、あえて損を選ぶっていう話は聞くね。と言った。
その先をギロリと促されたので、釈明しながら少女は言わなければならなかった。

「上手く言えないけど、
 そこで損しておかないと後で損以上に損になるって分かる時もあるんだって。
 得を選んで何か手に入れたものがあったとしても、終わった後で、
 ずっと、何であの時、損をしておかなかったんだろうって。
 手に入れたものも嫌になるくらい。だから、損を選ぶんだって」

金の斧でも銀の斧でもないと正直に言った絵本の木こりは、もし、自分の使い古した斧だけ渡されて帰されたにしても、 きっと後悔だけはしなかっただろうという話。例え、破滅するんだとしても青いダイヤモンドを求めてしまうという話。 分かるか不安で見つめると、彼は、ぼんやりするそれを誇りやプライドとして形を定めたらしい。
座った姿勢で膝を立て、肘をのせてイラついてたまま頬杖をする。それで耳を澄ませると小さく喋っていた。

「……だとしたら……奴らは良く知りもしない人間を助けるのが、誇りだったというわけか?
 欲が出て自分の力を過信したわけじゃあなく? 娘から秘密を知ってやろうとしたのが目的でなく?
 たった一人の、群衆のなか埋もれてしまうようなちっぽけな娘ひとりを助ける事が?―――
 ―――それこそ意味不明だな。 娘一人生かすだけの、世の中にとってはほんの塵のような、その結果も、
 死んでしまえば、自分の目で見る事すら出来なくなるんだぞ? これを無意味と言わずになんだ。
 そんな結果で死ぬ事になって、死んだ後は後悔したに違いない」

「その人は誰かを助けて死んでしまったの?」

びっくりして独り言に割り込むとそれ以上はまた黙り込んでしまった。
男はその人の行動に怒りと困惑を抱いている。しかし、には男が、その人が亡くなった事を悔いて怒っているのか、 まざまざ死を選んでまで女を助けたその人に怒りがあるのか、区別がつかなかった。 余計な事と知らずに、もう一度、その人が何故、損を選び死んでしまえたか、尋ねられた疑問に関して少女は考えてみていた。

「……それなら、居てもたっても居られなかったって、感じかもしれないね。

 相手の気持ちを考えなさいって学校で教えられるでしょ?
 それって自分が相手だったらどうして欲しいかって考えろって意味でしょ。
 それが分かってて出来ないのは、出来ない方も、もやもやが残るんだよ。
 急いでいる時に迷ってる人が困ってるのを見つけたとか、
 行っちゃいけないって言われた場所で倒れている人を見つけ……た、とか、
 私が居るからって治安を勘違いする旅行の人にどう説明したらいいのかわかんなかったりとか。
 まして、死んじゃいそうな相手の気持ちを考えたら、こう……、えー…と……」

思い当たる節がごく最近にあったのではなかったか?

「……で、でも! 自分が死ぬのもかまわないっていうのは、何より凄いよ。
 優しい人だったんだねその人」

必死に取り繕ったが、彼は、地雷の上を通過しようとしたのことなど見ていない。
過去へと意識を飛ばしながら、最も死から遠ざけられた人のようにこう言っていた。

「死んだらそんな事を考える暇も無くなると、俺はさっきから言っているんだ。

 死人が喜びを感じるか? 食事を楽しんだり、音楽を楽しめるのか?
 そういうのは、天国を信じるのと同じくらい、綺麗ごとだ。

 誰かに助けられただとか、命を救われただとか、安らぎを与えられたとか、
 恵まれ、認められ、そういう人間達だけが言うお伽噺だ。
 全ての人間の心が自分と同じ形だと認識するのは愚かだし、
 親切を尊ぶ、その価値観を全ての他人に強制する事は、
 「おい、お前、この俺に親切にしろよ」と言っているのと何が違う?

 その見せかけは綺麗な常識を勘違いして傲慢な人間のする行為は、
 略奪や裏切りよりももっと醜い。


 人は人にどこまでも残虐になれるのだから」






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余談


死んでも人生を楽しめる。そう、このDIOの血ならね。(保証は致しかねます)

じっくり死ぬ死因の例は書いてる奴が個人的に凄く怖いと思ってる。特に飛行機事故の再現VTRとか幼少期のトラウマ。 ナウシカのアレに憧れてから、現実の空の恐怖を知って、再びナウシカとかラピュタを見ると手汗がヤバイ。

・誰かを助ける人は、その殆どが誰かに助けられた人であるのかもしれないという話。
ジョルノはジョースターの血の気質もあっただろうけど、名も知らぬマフィアに一人の人間として扱ってもらった黄金体験から本格的に誰かの心を救う人間に成長し、 アバッキオやナランチャも、ブチャラティの正しさを信じる心によって助けられ、奮闘した。 そこから考えると、トラックに轢かれそうな子供を助けようとしたドッピオも一応黄金体験保持者なのかもしれない。 しかし、ドッピオを助けていたのはディアボロ(自分)だろうなぁ、と思うので、歪みが半端ないし、 ディアボロの人間不信感からすると助けられた経験と、何よりそれを受け入れる心があったかは察するしかない。 が、そんなボス達よりも、本当に驚愕に値するのは、父親を麻薬の密売人に殺されかける暗くて悲しい経験から、 たった一人で父親を助けて、親切を厭わず、その後も、沢山の人を助け続けたブチャラティ。 (あんなの経験したら、世の中を恨むか、捻くれもしようものなのに) そんな生き仏ブチャラティをディアボロは理解できないという話。キサマに俺の心は永遠にわかるまい。

そして、何より、ブチャラティ達に助けられたトリッシュは、もう群衆に埋没するようなちっぽけな女の子ではなく、
スパイスガールを確立させたように、沢山の人を助けながらその後を歩んで行くんだと思います。


・ジャイアント・ホグウィードの話
ジャイアント・ホグウィードは日本にはまだ入ってきてない危険な植物です。(ヨーロッパとかアメリカで増えてるらしい) あと、触っただけで、って書いたけど、触ったあとに太陽の光に当たる事で反応します。 簡易吸血鬼体験ができるかもしれないけど、見かけたら触らないように気をつけましょう。 (ネットで検索すると触っちゃった患部の画像とかも出てくるので、苦手な方は注意してください)


・話とは関係ないけど
ボスを引き取った神父さんの個人的な印象。 自分が喜んでいれば相手も喜んでいるに違いないと思い込むタイプの悪いサプライズ好き。 ディアボロの名前に何か良い意味があるのだとしても、それ付けたら子供がどんな立場に立たされるのかわかりそうなものなのに、 こうと思い込んだら絶対に譲らない。「名前変えたいよー」ってディアボロ君が言っても、 「それは〜という良い意味があってね」とか話すだけで全然話聞いてくれない。勝手に部屋に入る。怒るといちいち十字を切られる。 ガレージを作って喜ばせようと、相談もなく行き成り床とか壁をツルハシで壊し始める。 「もう、やめてってば!」とか半泣きのディアボロ君(どんくさくてさっぱりとした性格)に昔から言われてる。でも、話、聞かない。 そして、積もり積もって自分と会話し始めたディアボロ君。 大人になっても、ボスは相手の気持ちを考えないビックリ箱系の人が苦手、という妄想(チョコラータとかメローネとか)。 (もっと壮絶なパターンもあるけど、基本はこんなイメージ)



2016.06.21 地味にちょっと追加と修正。