今日、ファイアル島を離れる。
準備は済んだ、燃料も満タン入れ終わり、食糧も積んだ。結局変わり映えしないものだ。 生肉や生魚も腐らないとは分かっていても船内に積むんじゃ気分が良くないからだ。 リンゴの代わりにパイナップルにはしたが。
船に網を取り付けるというのも無しだ。食欲に駆られてスクリューに絡まって故障したら元も子もない。 大人しく再び大西洋を進んで行こうと思う。防寒対策もして、行き先は北西、カナダ・ニューファンドランド島。 アソーレス諸島最西端のフローレス島の横を通り過ぎ、今日の夜は再び何もない海上へ停泊することになるだろう。 再び海上を行くことに対してディオの様子は落ち着いている。
海上の時刻は午後1時で停止した地点。
2時が気温が一番高い時刻なら、1時から12時が太陽が一番輝く時刻だ。

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(問題なく海を進行。略)

デッキにて13号のテストをする。
時計の秒針と肉の芽を見比べて10秒を経過。順調に時間を伸ばしている。 この紫外線を害として見なすことを成功させたら、今度はもっとほかのことも試してみたいと思い始めた。 例えば体を濡らさずに泳ぐとか。自分のスタンドを知るきっかけになるとディオは言っていたが、本当にその通りであり、 出来るもなにも、考え付かなかったアイデアを得て、様々な疑問を持った。 なにか、彼の思い通りにされている感覚はあるが、能力への関心とその発展を望む貪欲さは彼の右に出るものはいない。

10秒経って13号は崩れ果てた。
さらさらと海に飲み込まれていく残骸を見ていたら、せっかちに声がかかる。 どうだった?と言うので「今度は10秒持った」と伝える。 「終わったのならさっさと戻ってこい」というので適当に「はいはい、そんな早口に言わなくても戻るよ」と合わせて戻った。


【考えてみればこの時点で十分可笑しかったのだ。それに私は気付かなかった】


話を蒸し返すことはしたくないが、いったん懐に入るとどうも弱い。 ディオに騙されるとかは心底遠慮したいし、堂々と悪を名乗って果てに法となり正義となってやろうという気概もなくて、 呑気にこっち側に来てくれないかなぁと思っている。 この前一方的に契約が成立した件は、なぜか次第に、離れていても守る対象を決められる様になること、という第二段階に突入したらしい。 ディオはその特訓を勧める。太陽を克服できたなら、そのまま陽の下を歩める人生を歩む用になればいいのに。 これも独りよがりな希望でしかない。夕食をとって運転に戻った。とりあえず順調だ。 能力も、航海も、次の目的地が待ち遠しいと思う。



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(ぐちゃぐちゃに消された文字、略)

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こんなこと望んでない!