あとがき


まず初めに、この話は、スローリーゴーゴンのIF話ですが、本編と微妙に対比しているところがあります。結末も含めて。 神と悪魔で一セットにしたところがあるので、微妙にだけど。本当に微妙にだけどやってます。 スローリーゴーゴンの本文がメモ帳で約145KBで、路地裏と悪魔は約171KBなので文字量的には、路地裏のほうが多いくらいになりました。

次からはだいぶ長いディアボロ語りです。


■ ディアボロについて



本当に凄く長いです

実は、一番最初に5部を読んだ時は、ディアボロは、好きになれないかも、と思ったキャラでした。(今は違うけど、だいぶ違っちゃったけど) 自分の非を認めずトリッシュに「お前さえ生まれてこなければ」と言い放ったり、ポルナレフを踏ん付けたり、ドッピオすら見捨てたり、 ブチャラティ達に生きていて欲しかったのもあって、次々やってくれたボスは印象が悪かったです。 でも、何となくモヤモヤは残りました。そして、二度三度、読み返していくと、だんだんと、何なんだろうこの人って興味が出てきました。 生まれも、二重人格も、恰好も、行動も、ボスは謎です。果てにはレクイエムで未来さえ、謎になってしまいました。 唯一、確かなのは、凄い慎重で、自分以外を信用できない奴だって事です。

カーズやDIOが自分の種族や能力や回復力に自信があって、人間からの攻撃をまるでじゃれついて来ただけの事だ、と、余裕を持って構えて居られるのに対して、 ディアボロは自分の事を調べられただけで敵対行為と見なすと警告を発します。 同じように正体を隠している吉良と同じかと言うと、ボスは3位で収まる気がなく、裏世界の頂点に君臨し続ける事を望みます。

他人より優れていたい、選ばれた存在でありたい、
でも、目立つのは嫌だ。正体を探られたり、衝突したり、煩わしい事からは逃れたい。
これは、並び立つには難しい欲求ですが、有り触れたものだと思います。有名人のSNSが炎上とか聞くと、有名だからこそ起こった煩わしさの最たるものかと思います。

ディアボロは、顔も名前も隠し、組織を運営していきます。けれど、顔も名前も隠した相手への信頼は生まれ難いものです。 中には、運営の手腕に、この人は凄い人だと認め、尊敬して忠誠を誓う人間もいるでしょうが、 利益を重視した指示ばかりのメールが届くばかりでは、機械と変わらず、多くは、親しみもあったものじゃあなかったでしょう。

その点、DIOは、部下に無防備ともとれる自分の姿を毎回晒してたのでは、と、思います。
昔にはなかったものを楽しみながらお喋りも楽しむ、部下に攻撃されても、断罪もしないで、命令を下す。 吸血鬼の回復力は凄まじいし、ワールドも強いし、いざという時には肉の芽もある。 そういう自分に対する自信がカリスマとしてにじみ出て、自分じゃコイツには叶わない、と思わせる力がDIOにはあり、 3部の敵は多かれ少なかれDIOに心酔していました。しかし、パッショーネのメンバーの心はバラバラです。 自分たちが所属するボスの事を何にも知らないのだから仕方ありません。

そこで、ボスは、組織をまとめる為に、金と恐怖を利用したのではないかと思います。
麻薬で金を稼ぎ、金を上納すれば幹部にもする。そして、裏切者への報復は言わずもがな。
時間を止めるのも、消し飛ばすのも、同じくらい強力なスタンドなので、ディアボロも姿を現して堂々としていれば、 DIO方式で、心酔した部下とギャング運営出来たような気もするんですが、ボスはしませんでした。

何故、そうしたかというと、本人の性格もあるだろうけど、ボスは人間で、そして「スタンド」を沢山知っていたから警戒したんじゃないかと思うんです。 ボスは吸血鬼や究極生命体でもないので、ナイフ一本やばい所を刺されれば死にます。 「矢」を使って多種多様なスタンド使いを作って、組織の戦力としたのはいいものの、中には厄介なものがあるのに気づいて、 その中で自分を感知できるものが居て、命を狙って来たら不味いと思ったんでしょう。 そう考えると、スタンド使いを多数有したギャングという組織のボスのやり方としては、姿を隠す方法も手堅いような気がしますし、 それ以外にパッショーネという下手したら国どころか、将来、地球もヤバくなるかもしれない組織を運営できない、ような気がします。 もとはといえば、「矢」を入団試験に使う様に(おそらく)ボスが指示したのが迂闊だったんでしょうけれど、 それも、なんだか理由がある気がします。

そもそもボスには後がありません。故郷が燃えて戸籍上は死んでいる人間です。
どうして、故郷が燃えて、地下にディアボロの母親が埋まってたか、とかは、今は置いておくとしても、 そうなってしまったら、もう裏社会で生きていくしかありません。 お金を貯めて、違法な組織から戸籍を買ってあとは平凡に過ごす、という事も出来たのかもしれませんが、 ボスにとったら戸籍を買う時に、違法な組織と縁が出来てしまう事になります。 それでは、いつ過去が恐怖となってやってくるか知れず、ボスは日々を怯えて過ごさねばなりません。 なら、どうするか。自分で組織を作ってどうにかする。……そんな事を考えるのが、ディアボロなんだと思います。臆病なんだか、大胆なんだかわからん感じ。 そして、ゼロから成りあがっていくには力が必要で、「矢」でスタンド使いをどんどん作らねばならないのは必須。 ……そんな感じで、ドミノ倒しのように現在の位置にディアボロは来てしまったような気がします。

もちろん、選ぶものがことごとく、慎重故に残酷というか、
ゾンビに少し噛まれて感染したかどうかわからないけど生きている相手を、念のため今のうちに撃ち殺しておこうみたいな、無慈悲さはありますが、 理解不能だと切り捨ててしまうには厳しい気がします。
どうにも、それを必死にやって来たらしいのが、ボスが言う事からひしひしと伝わってくるからです。

過去はミミズのように、とか、恐怖というものは乗り越えなければならない、とか、 自分で運命を切り開いて来たんだ、って言う事に誇りを持っていて、もう駄目だって場面でも、ディアボロは何度だって立ち上がります。 最後に逃走ではなく誇りを選んでエピタフを試してみたのも、「逃げる気だ」っていう侮りに反応したのだし、 どうにも自分に根付いてしまっている臆病さを押さえても、帝王のように気高くありたい、と、心では思ってるんでしょう。

それに気づくと、何だか、ディアボロを激励してやりたくなるのと、もう少し安心しなよ、って気になります。
もうちょっと、寛容に成れたなら部下と関係を深められたかもしれない。トリッシュも受け入れ、遠くへ生かしたまま逃がしてやれたかもしれない。 ドッピオがボスを盲目に慕い、ボスがドッピオを励まし続けるのも、どっちかが臆病な役でどっちかが勇気づける役なのだとしたら、 居たたまれないくらいギリギリの精神状態なんじゃ、と、心配になります。

ボスがどうしてそんな性格になってしまったのかというと、やっぱり、さっき後回しにした自分の産まれと、母親、 それから引き取った神父に関係している事になるのかもしれません。 いくら考えたって、荒木先生が答えを示してくれるまでわからない事ですが、 これも、ディアボロ少年自身には差し引きならないくらいに、血縁に幻滅し、神の教えや道徳を疑う出来事があったのだと予想しています。 人と人が出会うのは引力であり運命だ、というのは6部の言葉ですが、 ジョルノが出会えた“名も知らぬギャングの男”のような人が、ディアボロ少年にも居たら、どうなっていたかわかりません。 ジョースター卿という紳士に出会っても野心を持ち続けたディオや、最後には戦士の誇りよりも労力を割かずに勝つ事を選んだカーズや、 人を殺さずにはいられない性を持っている吉良と比べると、案外、どうにもなりそうなのが、 余計な殺人をせず、誇りを選んで、チョコラータをゲスだという感覚を持ち合わせているディアボロなのかもしれません。

しかし、5部のテーマとして、運命は強固です。起こる事、起こってしまった事は覆らない真実なのでしょう。
これは文庫版の最終巻に書かれている事ですが、運命が努力や根性で変えられたらそんなのは運命とは呼べない、軽々しすぎる、 でも、それなら、悲しい運命を持った人は、その覆らない運命の中でどうすればいいのだろう?という荒木先生の問いかけで、 5部に出てくる登場人物達は、皆、どこか社会からつまはじきに合い、自分の運命のなかでもがきます。 そして、悲しい運命の中でも「正しいと思う心」を捨てずに正義の心を持ち続ける事こそ「幸福」だと信じる、という答えを出します。 悲しい運命というのは、過去を恐れていたディアボロにも十分当てはまるでしょう。 そして、ラスボスであるディアボロは、 何処かのタイミングで、自らの運命に疲弊し、正義の心を持ち続ける事が出来なかった人であり、 それを可哀想で仕方ない事だ、と、するには、どんな運命の中でも正義の心を捨てずに今も歩み続けている者への侮辱にもなりかねません。 ディアボロは、やっぱり許さざる者で間違いない。ただ、そう言い切るのに、私は個人的にどこか勇気が必要だと、何度か読み返している内に気づきました。


誰だって、正しいと思う心で生きようとしても、悪意にぶつかれば、挫けて、正しい事を守り続けるのが馬鹿らしくなります。 救助して手当てをしてやるのが正しいと分かっていてもゾンビウイルスに感染しているかもしれない相手に近づくのは怖いです。 正しさを信じて行動した者は何かを失いやすくなります。時間を失うし、徒労で体力を失うかもしれないし、怪我もするかもしれない、下手すると死ぬでしょう。 凄く現実的に考えれば、正しい事は、損をしかねないです。恐らくディアボロも、産まれた事自体が悲しい、そういう運命の元にいて、 どんくさくてさっぱりした無害な性格を回りに見せていたのに、儘ならない損ばかりで、 結果、正しいと思う心を捨て、自分を守る為に利益を追う事にしたんでしょう。

ある意味、カーズやDIOよりも悪の理念が身近で怖いんです。
この悪に身に覚えが無い人のほうが少ないんじゃないかな。 正しくないと思いつつ二度寝、正しくないと思いつつ宿題の答え写し、正しくないと思いつつ悪口、とか、は、まあスケールが小さすぎるとしても、 苦労して出口の見えない報われない毎日を送っている内に、ある日、限界が来て、他人を害してもいいやってなる、 誰だって、一歩を踏み外せば成りかねない心理です。許されない事なのに、自分の苦労や不幸で言い訳が成立してしまいそうになる。

多分、ボスに何でこんな事をしたのかって聞いて、話してくれるのなら、理路整然として語りそうです。
自分の産まれからギャングのボスにならざるを得なかった軌跡に、暗殺チームへの処遇、何故、娘を生かしておけないのかの理由。 聞くと悔しい事に納得しそうになるくらい便宜をはかりそうなんですディアボロ。
それに「上っ面だ」と完全に言い放つ事が出来るのは、あの場面では、ジョルノくらいでしょう。 ジョルノは正しさの為に本当に命をかけた少年ですから、 いくら不幸で、身を守る為の行為だとしても、あんたは悪だ、と言う資格があると思います。

……でも、そんなジョルノも、ギャングのボスになって組織を運営する立場になったら、あらゆる場面で「自分は“ディアボロ”になってはいないか」、 危うさを感じる日が来るんじゃあないかと思ってます。ギャングが綺麗事だけで済むはずがないですから。 ジョルノの一存で決定された組織の方針の為に、従わない者は、度が過ぎれば粛清されるでしょう。 麻薬のあがりが減れば貰える金に不満に思って裏切者も出るでしょう。 15歳の少年にナメてかかる者にはその認識を改める為に力を示さねばなりません。 それらの手段は、かつて、ディアボロがやっていた方法ときっと類似しています。

ジョルノは「少年の夢の象徴」であり、敵対するディアボロは「大人の現実の象徴」であり、 お話が終わった後もレクイエムと戦うディアボロに対して、ジョルノも、悪魔が残した“現実”という呪いに歯を食いしばって、戦い続けなければならないのかもしれません。 ディアボロも心配ですが、実は、ジョルノも心配です。 仲間は居るけど、正しい事ばっかり選んでいると、別版権ですがどこぞの騎士王のように「ボスは人の心がわからない」とか部下に言われかねないんじゃないかなぁ。 「悪い、ありゃ嘘だった」が出来るくらい柔軟なら大丈夫なのかな。


そして、ここまで考える内に、ディアボロというキャラをちゃんと好きになってました。
ボスは過去が未来を脅かすのを恐れる人です。可笑しいだろっていうくらい慎重で、失敗を恐れ、自分の事で精一杯で他人に気を割ける余裕が無さげです。 でも、前を向き、自分を信じ、自らの価値の為にぶっ壊れても立ち上がる人です。かっこいい。 そして、そういう人が咄嗟に「誰か」って他人にポロっと助けを求める排水溝の場面は悲しいし、 死に続けるレクイエムに巻き込まれて、一巡後も辿り着けているかわからない、と思うと、爽快感よりも、じわじわと気の毒になりました。


ジョジョは、部が進むごとに、正義と悪の敷居が無くなって人間模様がより複雑になっていると思うんですが、 5部はその方向性を決定づけた話のようにも思います。

1、2、3部は、悪役が生きていたら主人公達は生命として生存出来ず、生き残る為の戦いという面が重く、 4部は、自分たちを庇護する街を守り、平穏を取り戻す為の戦いです。
ところが、5部は、逆に自分たちを守っている組織という庇護を食い破る戦いです。結果的には沢山の人が死にました。 ジョルノとブチャラティが組織を裏切らなかったら、どうなったかわかりませんが、 アバッキオやナランチャは生き、チョコラータが解放されず、ローマの被害はなかったかもしれない。 けれど、反面、トリッシュはディアボロの手によって始末され、麻薬は世界に浸透し続け、長く静かに多くの人は死んだでしょう。

正義とは何か、悪とは何か、心を生かすために命を削るか、死んだように生きるかの葛藤という面が五部はとても重く、 そのラスボスであるディアボロも、心の化け物のような奴で、曖昧にこっちを揺さぶってきます。
ギャングのボスとして、慎重なその判断は間違ってなかったんじゃあないか。逆にジョルノはどうやって今後パッショーネを運営させて行くんだ? したことに対して、レクイエムは罰としては重すぎるんじゃないか。 でも、レクイエム以外コイツを止められるものがないんだからどうしようもないじゃないか。 他にも色々、登場人物、皆(トリッシュとモブ以外)、どっかしら法に触れる部分があるものだから、考えると大変です。 凄いモヤモヤが残ります。そういう悪と正義が曖昧になるモヤモヤは6部に続いていって、 プッチ神父っていう、自分は正義だと信じていて全人類が幸福になる天国を目指しているのに、作中“最もドス黒い悪”と評されたラスボスと、 世間一般には悪人の巣窟である牢獄という舞台で、まだ星を見つけられずに囚人となった主人公、徐倫に繋がっていて、 その結末がこそが、答えなのかな、と、思います。


以上、長くなりましたが、ボスを好きになった経緯はこんな感じで、この路地裏と悪魔の話は、

「レクイエムの鬼畜度を緩和したい」
「でも、ブチャラティ達の努力を無駄にしたくはない」
「あと、ボスに、失敗しても大丈夫だと思えるようになって欲しい」

を詰め込んで書きました。

切っ掛けはおなじみ防御系スタンド持ちのこの主人公なら、レクイエムだって大丈夫だよね!っていう根拠の無い謎の信頼からです。 (でも、レクイエムは凄かった。多分、周回中、主人公は何回も死んでる。レクイエム怖い) 書き始めると、ディアボロは、ギャグ空間以外だと案外触れづらいというか、会話させ辛い事が判明しました。 DIOとカーズは勝手にペラペラ喋ってくれるのに、ディアボロだと喋らない。 DIOとカーズは相手に興味持って訊いてきてくれるけど、ディアボロは自分で考えて自分一人で考察するから会話がない。 しかも都合あって子供にした主人公は危機感無さ過ぎてわからない。レクイエムも参考資料が無さ過ぎてわからない。ボスも謎過ぎてわからない。死因のネタは尽きる。 そのなかで、ネタばっかり投入して頑張ってました。死因をボスの被害者に因んでみたり、 人と人が出会うのは引力だって言うから、最初の出会いの死因を引力で落ちてくる鉢植えにしたり、 人生には落とし穴があるっていうからボッシュートの伏線をちまちま用意したり。文中に、恥知らずとか、偉大なる死とか出してみたり。 10話ぴったりで終われて何かすっきり。



■ 子供にした云々の話



最終的に、ディアボロが、主人公に対していろいろな感情持つといいなぁと思って主人公は子供にしてます。 ドッピオに向けるような庇護愛のようなものもあり、逆に守ってくれる親に向けるような感情もあり、 隣人や近しい人に向ける親しみや、恩人に向けるようなものもあるし、腹を割って話した友人のようにも、 使える能力を持った部下のようでも、恋人に向けるような感情……も、あの状況だとあるっちゃああるかもしれない。
でも、その全ては、初対面から始まり、死で終わる短い往復の中で結果として報われない。 父親のように、その子の成長を見守って微笑むことも、あるいは大人になったその女性を抱きしめることも、 または、友人のようにお互いの幸運を祈りあうこともない。

親と恋人と娘、他、周囲の全ての人との関係を捨ててきたディアボロは、いざそれを誰かに求めた時、全ての関係性を得られない、というジレンマのような、そういうのをやりたかった。それと、話が進まなくなるので、危機感無しの部分の為でした。(大人だと人生経験的に鉢植えの後はさすがに逃げるかなぁって)。
かつての恋人は女手一つで子供を育てたり、死の床でも娘の為に父親を探すような肝の座りようだし、娘はめちゃくちゃ芯が強くて可愛いし、部下は一部やっかいだけど有能だしで、 それを捨てるなんてとんでもない!って感じなのに、ディアボロは捨てちゃうんだよなぁ……。 最終的な着地点は、名前を隠し続けてきたくせに、名前を呼んで欲しいと思う、のが目標でした。 そこまでいったらディアボロの好感度的にはカンストなんじゃないかなって思います。


■ 以下、いろいろ小ネタ



・【もし、ディアボロが主人公を手放してやれる日がいつか来たとしたら】

話のその後も、しばらくは、なんとか主人公と「矢」を手に入れるのをボスは頑張る予定ですが、 もし、「矢」を手に入れる事が無理で、その日が来たとしたら、 トリッシュに対しては出来なかった、自分の身を顧みず一人の女の子の未来を祈ってやる事ができたとして、 ブチャラティの気持ちを奇跡的に一欠けらでも理解できたという意味で、それは真の行動として滅びないものが残るのかもしれません。 反転して、自分がしでかしてきた事に気づいて、苦しむかもしれないですが、辿り着くはずのなかった答えには辿り着けたわけで、 ……その後、何億倍の確立で、大人になった主人公と再会したり、とか。




・【没ネタ1】

アパートのある国に居たまま、口座から金を操作したり、テレビ出演とか目立った行為をして、 ジョルノをおびき出す(ディアボロ相手だから矢も持ってくる)という作戦もあったけど、 長くなりそうなので無くしました。



・【手ばっかり】

展開上、手とか書きすぎてラスボスを間違えたような気がしてしょうがなかった。 でもあっちのほうのラスボスだったら、ちょっとどういう展開になってたかわからない。 危険度は、増すのか、減るのか……。



・【最初のダイヤの画像の隣に書かれている文字】

stone of sisyhusはシーシュポスの岩。ギリシャ神話で、日本の賽の河原みたいなの。 神々を二度も欺いて冥界へ行かなかったシーシュポスは、冥界よりも深い奈落にて、巨大な岩を山頂まで上げる罰を受ける。 巨大な岩はもう少しで山頂といった所で己の重さから底まで転げ落ち、その苦行が果てしなく続く。 無限ループ怖いの刑の事です。ギリシャ神話好きです。



・【ついでの話】

ジョジョは石を運命のメタファーにしているところがちょこちょこ見受けられる、気がする。 5部のローリングストーンが回る運命。6部の題名がストーンオーシャンで運命の海。 徐倫のスタンドがストーンフリーで運命からの脱出。そしてジョジョの始まりである石仮面。運命の仮面。 2部の赤石も赤い運命でジョジョの血筋とか、無理やりだけど。 スタープラチナ、クレイジーダイアモンド、ゴールドエクスペリエンス、ストーンフリーで代々石の名前が付いてることから考えて、 ジョナサンは石仮面、ジョセフは赤石にするとぴったりかなぁって思う。 ジョナサンは仮面に纏わる運命のなかにいて、ジョセフは赤の運命、承太郎からは石の名前を持つスタンドによって引き起こされる運命のなかにいる。 そして、最後にジョースターの運命から脱出するスタンドの名前がストーンフリー。まさに石。 それで7部からはジョースター家の石縛りは無し。石→赤→白銀→透明→金→石で一巡した。 でも、そう考えると2部以降のジョセフの存在はやっぱり異質になる。スタンドも、ハーミットパープルで多分初期のタロット&色縛り枠。 一度葬式をやったせいかある意味命運尽きて、ジョースターの運命から脱出しているのかもしれない(浮気もしたし)。 石縛りで気になるのが最初はエメラルドだったけどなかったことになったハイエロファントグリーン。 このあたりで主人公のスタンドは石の名前にしようって確定したのかもしれない。 実は、ジョースター家に入門しそうだった花京院。(銀のポルナレフは色縛り枠としておきます)



・【没ネタ2】

ボスのキングクリムゾンがレクイエムボスの精神状態に影響して、ちょっと姿が変わってて、 亀裂が入って、そこから何個もの顔(エピタフみたいな奴)が生えてきてる、というのを考えたんだけど、 腕だけの出演だったのでカット。最後の無駄無駄ラッシュの時、エピタフが取れてぶっ飛んでるんだけど、 あれってどうなったんだろう。



・【ほかの話との兼ね合い】

作中、各ラスボスは一回は主人公を運搬している。
DIO、荷物のように小脇に抱えて屋根の上を移動。
ディアボロ、腕に乗せて抱っこしつつ街を散策。
カーズ、お姫様抱っこして宇宙空間を飛ぶ。
カーズ様のアメコミ感凄い。

あと、三作とも、ラスボスと主人公が、ほぼ二人っきりで奇妙な世界で冒険してる話。 二人の世界。……二人の世界、なんだけどなぁ。 三作とも結末がボヤーなのは、ラスボスを完全に幸せにするのは抵抗があるけど、ちょっとだけ希望を残したいそんな感じのあれ。 ……ブチャラティとかもうほんと生き延びて欲しかった。 ジョルノも人に希望を与えるけど、ジョルノの希望が植物の横にぶっさす栄養剤だとしたら、 ブチャラティの希望は支柱って感じで。ほんとブチャラティは居て欲しい。ブチャラティに挨拶するモブになりたい。 ドッピオに「家に帰れ!」って言ってあげるブチャラティに、言われたドッピオが、一瞬、凄い冷たい顔をするシーンが凄く好きだし、 トリッシュだと思って、全部終わったら帰れる場所に海辺の家の話をするブチャラティに、なんだこいつ?って考えてるシーンも好き。 心底、この優しい人が理解不能なんだなぁ、と思えて。




・【書いてる期間、全然進まなくて脳裏を過ったくだらないネタ集】

キンクリを見てワッフルを食べたくなるボス。
ビール片手にサッカー観戦して応援してたチームが負けて缶を握りつぶすボス。
最近の情報社会に絶望するボス。何かの拍子でいつ姿を撮影されるかわからん。
一人一人がマスコミみたいなもんじゃん。街に増える監視カメラとかもうホント止めて欲しい。
パッショーネの構成員は携帯と端末を禁止にしようか、ふと脳裏に過る自分勝手なボス。
でも自分はめっちゃ使う。SNSやってる部下の発言を密かに監視してる。怖い。
網網って言うけど、ブチャラティも網の奴、服の下に着てるよね。
あれって漁師町出身者の証みたいなものだと思ってるんだけど、どうだろう。
(漁で使ってる網の修繕作業からレース編みが産まれたとかなんとかの歴史)
出身地をアピールしてくるボスとかなんだ?なんだお前?
でも故郷は好きなのボス?その故郷焼いたの?ボス?
サルディニアの独特な言語とかの訛りも名残りも完璧に隠してるボス。
ドッピオ状態で散髪しに行くけどボスに戻ると髪の毛も元に戻ってどうしようってなるボス。
もうキンクリに髪の毛切って貰えばいいんじゃね?(スタンドの視界って同期出来るみたいだし)
切りすぎた……ぱっつんじゃんこれ……(初期ボス)でも、数分で伸びる。ほんとに人間かな?
結果(シャギ―)だけだ。結果(脱ぱっつん)だけが残る。
あっ、ひょっとしてそのオシャレ染や編み込みはスタンドで……便利だな!スタンド!いいな!欲しい!
そもそも何で組織名が情熱なんだよ。情熱集団ってなんだよ。プロフェッショナルかよ。
目立ちたいのか目立ちたくないのかキャラがわかんねぇんだよクソッバカッボスッ
つらい。





■ 最後に


か、書き終わった!何とか終わった!
拍手とコメント本当にありがとうございました!御蔭で最後まで書けました。
もう頭のなか色んなボスだらけで、「ボスはこんなアホじゃねぇよ!」とか心のドッピオがうるさかったです。

「オレの傍に近寄るなぁー!」が有名な、ディアボロですが、本当はそれだけじゃない、 臆病で大胆で負けず嫌いで恐ろしくてプライド高くて強くて悲しくて、ディオから吉良まで全部合わせたような面白い奴で、 自分の運命に腐らない典型的なジョジョの強いラスボスに相応しいキャラだと思います。 もう少し、話のなかで粘らせてやりたかったんですが、私のほうが限界でした。これ以上、死因考えらんないし、子供の主人公とディアボロの思考を追うの凄くキツイ。

カッコイイボスも好きだけど、落ち要員のギャグボスも好きです。落ち要員かと思ったら返り討ちにする策士ボスも凄く良いと思います。 勝手されるのは困るけど、落ち込んだり慌てたり諦めそうな時に、心のなかにボスが居たら心強いんじゃないかなぁ。 でも、こういうのが、サルディニアで過ごした“ディアボロ”の始まりだったのかもしれないので、やっぱり別個体でボスが欲しいな。 いや、リアルボスが目の前に居たら目を合わせる自信がない。デカくて網でピンクのイタリア人だもん。 色んな威圧感を感じて、励まされるとか、それどころじゃなさそう。


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