こんにちは、飼い主です。
なんの飼い主かって?聞いてくださいよ、ウチ、いろいろ居るんですよ。
まず、ハムスターが一匹、猫が二匹でしょ、インコが一羽、それからアロワナが一匹・・・あと、飼ってないんですけど、
いつもベランダに居るカラスなんかも居ます。それが驚いたことに、自然と集まってきた奴らばっかりなんです。
なんらかの事情があったり、なかったり。
ハムスターは部屋で篭ってるし、猫達は高級嗜好なのか、エサ代がかかってしょうがないし、
インコはすごいおしゃべりで、アロワナはなんか不憫な扱いだし、カラスはジッと見てくるし、なんか、私のペットは変なんです。
まぁ、時々癒しになるから、いいけれど。
ある飼い主の一日
今日は私の一日とペット達について紹介したいと思います。
朝。
朝起きて、やることといえば、猫のエサやり。寝室からついてくる二匹を従えつつ、キッチンに向かいます。
因みに猫二匹の表情にアフレコするなら、こんな感じ。
(さっさとフタあけろノロマ) (カスが) (・・・またこれか、もっといいものよこしやがれよ、ドカス)
(なに王子を待たせるの?なにさま?) (またこれかよー、おれ 王子だよ?) (こんなのよりもっといいのあるだろ、だせよ)
なんという、猫様。
朝から酷い扱いをされる飼い主のライフはもう0です。
さてさてうちの猫様達を紹介します。
一匹目の猫は大きな虎猫。近所の人から「虎!?」と間違われたほどの立派な毛並みと王のオーラの持ち主。性格も凄く王様であり、生肉を好む。
(しかも松坂とかそのへんの高級なやつ、隣の家の配達品を預かってたらやられた。)いつもいつも、
ソファの特等席で妙に偉そうなオーラを出しつつ居眠りしている。この家の王様です。
二匹目はまだ子猫で、遊びたい盛り。あだ名は切り裂き王子。いつもカーテンやらクッションやらをお陀仏にしてくれる。性格は言わずもかな、
王子という名のまま、わがままっ子。見た目は小さい豹。高級猫缶が好物。この家のペットのなかで一番のトラブルメーカー。
何かあれば大体関わってるのがこの子です。
そんな高級嗜好で、合わせていたら破算するだろう二匹に騙し騙しで、暫く普通の猫缶を与えてたら、本日キレられました。
しかたがないので、予備にとってあった高級缶詰のほうを与えてなんとかその場をしのぎます。
このあと数ヶ月は騙されてくれないだろうなぁ、財布に大打撃だ。
(このまま普通の猫缶を与え続けると、帰ってきたときに部屋が1つ腐海に沈んでるためできない)
さてと、朝から酷い目にあった。高級缶詰にむさぼりついている二匹を軽く撫でて(じゃますんな!と猫パンチを賜った。)立ち上がり、
リビングへと移動します。
「あら、おはよう」
言っておきますが、私ではないです。あと、この家は私の一人暮らしなのでほかに人間は居ません。
さっきの声は飼っているインコの声です。
ウチのインコは良く喋ります。
「なあに?朝から疲れた顔してるわよ。まぁ、いつものことだけど・・・」
えー、なんどもいうようですが、インコの声ですよー
ウチのインコは本当に多弁です。多弁ていうか会話できる程度の頭脳を持ち合わせているらしい。びっくりだ。
「また、あの二人でしょう?」
「そうだね、猫缶がばれちゃったんだよ」
「あらあら」
どう、この普通な会話っぷり。会話だけなら、人間と話しているのとかわらないです。
ペットといえば、何が不便って言葉が通じないこと(まぁそのほうが癒されるってのもあるんだけど)だけど、ウチのインコなら、問題ない。
ただ、
「そうそう、またあのカラス着てるわよぉ?」
男の声でその口調なのは、いただけないけど。
「え、また?」
インコの水とえさを変えつつ、隣のベランダをひょい、と覗く、あー来てるねぇ、
「今日は朝からかぁ」
「ほんとにお熱なのねぇ!」
インコがフフッと乙女のように笑った。(ただ、どうしても乙女というよりオカマになってしまう彼は、色彩豊かなオスです。)
バルコニーとまっているあのカラスは、いつからか前からずっとあんな調子です。何でだろう、と観察して気づいたんですが、
我が家の猫一号、あの虎猫を見にきているらしい。(虎猫がベランダにきまぐれに近付くと、羽根をばたつかせてカァーカァー鳴く。
なんか見ているコッチが切なくなるほど必死な様子だった。)
ただ、ウチの虎猫はカラスに毛ほどの興味もないらしい。
五月蝿くしだすと、不機嫌そうに、私近寄ってきて、(どうにかしやがれ、)と訴えてくる。どうにかしろって。どうすれば。
近所迷惑になりそうだったので、追い払ったけど、そのあとから私は一方的に敵にされてしまったらしい。
(遠くからスライディングのように頭狙ってきたときはひやりとした)それから、特になにもせずカーテンを引いて、ほうっておいている。
触らぬなんやらになんやら。
カラスの熱い視線にため息をついて、今日も、薄い白いレースカーテンを引いておく。これでまぁ、カァーカァーなくことはないだろう。
インコが報われないわねぇ、と私とは違うため息をついた。(でも、ウチの猫オスなんだよなぁ、あのカラスはメス?)
まぁ、深くは考えないことにしましょう。
インコの水入れの水をかえるついでにハムスターの水も入れ替えて置こう、とリビングの端においてあるカゴを覗くと、
相変わらず、居るのか居ないのか、分からないありさま。
ウチのハムスターはまったくもって、外に出ないし、車輪もまわさないのですよ。
ハムスターは夜行性だっていうから夜にやってるのかとも思ってたけど、それもないっぽい。
数回の小屋の掃除のときにしか、その姿を確認できない引きこもりのハムスターだ。
ただ、そうそう、小屋の掃除のときにいつも小銭を見つけるんです。ハムスターの隠れることのできるスペースに。
私が落としたんだろうけど、いつの間に。それを集めてハムスターは何がしたいのか。
最初はラッキーと思って、そのまま財布に入れちゃったんですけど、次の掃除のときはその倍の額が小屋に溜まってて・・・
あとで家計簿を確認してみたら、ハムスターの小屋から発見した額は行方不明になっていました。
まさかと思うが、財布から取り戻したんだろうか…
怖いので確認しません。(それからお金を発見しても放置している。まぁ困る金額じゃないからいいけど)
ハムスターの水入れと、インコの水入れをもってキッチンに戻ると、食べ終わった猫達が毛づくろいをしていました。
満足げに目を細める猫達は本来あんな性格でも可愛いものです。それを横目に流しに古い水を捨て、新しい水を入れなおす。
再び、リビングにもどってそれぞれに設置。
インコが「いつもありがとうねぇ」と言う。言っちゃ変だけど、お礼言うのインコくらいですよ、ほんと。
さてと、時計も大分まわって、そろそろギリギリです。私の食事をとって、着替えて、化粧をし、忘れ物がないかチェックします。
部屋からリビングを通ると、インコが「いってらっしゃい、」と言い、ソファで寝転んでいた猫達は耳だけこちらにむけたり、
ひょこっと顔をあげたりしたあと、興味ないや、といった具合に、朝日に包まれながら眠りに着きました。
ハムスターはあいかわらず沈黙。「いってきます」と言って玄関に行きます。
そうそう、わすれちゃいけないのが、このあとです。玄関の靴箱の上においてある水槽。ウチに居る最後のペット。
アロワナです・・・けど・・・。
「うわ!」
玄関が水浸しです。
私は顔をしかめたあと、あちゃあ、またか、と腕時計を確認します。
ヤバイこれはヤバイ、遅刻してしまう。けど、そうも言ってられない事態。
はぁ・・・。私はスーツの上着を脱ぎ、ワイシャツを腕まくりして、走ってリビングに引き返し、自室に入り、タオルを出す。
折り返して、リビングを通るとき、インコが「またなの〜?」という声が聞えたけど、返事をしている余裕はないです。
「あーあー・・・」
玄関に引いてあったカーペットの上の力なく横たわる巨大な魚。なんとも可哀相な有様です。
私は傷をつけないようにタオルで包みながらアロワナを持ち上げて、水槽へと返します。ボチャン!という音のあと、
だんだんと力を取り戻していくアロワナ。よかった、間にあったよう。とりあえず、飛び散ってしまった水を拭きとって、
アロワナの様子をみて、大丈夫そうなので、エサをやって、そのまま、急いで会社に行くことにします。
ウチのアロワナはよく王様猫に水槽から出されるんです。
王子猫も参戦することもあるけど、今日はどちらだったのか知る由もない。
というか、金魚とかメダカならわかるけど、アロワナを水槽から出すうちの猫って本当に猫なんでしょうか。(錘つきのフタも外すし)
一度現場を偶然見たことがありますが、鮮やかなもので、
何時の間にやら水槽のフタを外したトラネコが、淵の上に座って尻尾をゆらゆらさせてると思ったら、
水面に近寄ってきたアロワナに凄まじい猫パンチを食らわせて、
そのままアロワナは銀色の体を躍らせて、
さながら鯉の滝登りのように空中を舞いながら地面に落ちる…
なにが起こったのかわからなかった私はその場に凍りつき、地面にびちびちとするアロワナをトラネコと観察したくらいでした。
(というかそれが何回もあって私自身は、予期もせず足元に横たわる魚になれたんですけど、あらためてウチのアロワナの生命力すごいなぁ・・・)
いつか、陸上で生活しても大丈夫になったりして。(手足が生えたアロワナを想像)と電車のなかで思いました。
対策考えないと…。
***
仕事中(なんの変哲もない仕事風景なので省略します。)
***
あー疲れました。
会社も無事に終わり、私は帰宅の電車のなかで平和のひと時を噛み締めます。帰ってもある意味戦場なので。
今日、自宅から携帯に掛かってきた電話は3件。どうやったのか私に電話をかけることを覚えたペットたちは時々電話をかけてきます。
はじめのころは電話代に恐怖していましたが、ウチのペットは変なところで賢いらしく、私以外には電話しないし、ちゃんと、受話器を戻すよう。
今日の一件目の電話はただただ無言の電話。恐らくトラネコ。
トラネコはあんまり鳴かないので。鳴かない奴らはウチにはハムスターとアロワナとトラネコで、
アロワナは電話かけられるわけないし、ハムスターも体の大きさからいって無理だろうから。トラネコだと思っています。
トラネコは意外と、電話かけてくることが多いです。
ただ、何を話したいかは知りませんけど。(鳴かない以前に日本語じゃないし)
二件目はインコ。昼休みを狙ったようにかけられた電話は、まるで普通の世間話のような電話で、周りに誤解を招きました。
(友達?とか彼氏?とかこんな口調の彼氏って。)というか、インコ、また勝手にカゴの中から外にでたんだ。まぁ、部屋を汚すような奴じゃないからいいですけど。(鍵の意味ない)
三件目はミックス。王子猫の鳴き声が聞えたと思ったら、インコのさっき言い忘れたことを言う声、あと無音になり、そこに無言のトラネコの圧力を感じたり。
楽しい我が家です、ホント。
家の近くまで、来ると、ひゅっと風を切るような音が聞えてきます。なれたふうに屈んで避けると私の頭を掠めて、
向かいの電線にとまったカラスは舌打ちのように短く、カッと鳴きます。ふはは、甘いわカラス!…ごほん、そのままカラスに笑いかけてやれば、
カラスは夜の帳のなかどこかへ帰っていきました。これも恒例です。
さてと、マンションの下に設置してあるポストを除き、碌な手紙が入ってないことを確認すると、こつこつと足音が妙に響く階段を上ります。
びゅうと、最近寒くなってきたなぁ、とビル風に身を竦ませて家の鍵を開け、ドアノブを回せば、
あったかい我が家です。
「ただいまー」
トットットッ
(やっと帰ってきやがった!) (さっさと飯よういしろよ!腹へった!) (つーかさみぃ!さっさと閉めろ!)
わらわらわら、と集まる猫達。
その目にはメシの二文字がらんらんと輝いてみえます。てか、せめておかえりと迎えてほしいところです。
私は靴を脱ぎ、一端、猫達をほっといて、朝の惨劇の被害者を見ることにします。
今回はちゃんと水槽のなかにいる銀色のアロワナは、答えるかのように、水面に向かって元気にピュッと水を吐きました。うん、大丈夫そうです。
なんとなく、水槽を二回軽く叩き、そのまままとわり着く猫に足がもつれそうになりながら(こういうときばっかり甘える)キッチンに入り、
しかたなしに高級缶詰をあけます。そしてそのままむさぼる猫達を軽くなで、(また猫パンチを賜った。デジャブ)
リビングの電気をつける。そこにはあのあとカゴにもどったらしいインコが「おかえりなさい」とこれまた流暢な日本語で迎えてくれました。
「ただいま、」
そのままハムスターのカゴを確認してみるも、朝と変わりなし。うーん残念。
部屋に戻り、着替えをもってお風呂に向かい、途中で通ったキッチンで晩御飯を食べ終わった猫達を見て癒されて、お風呂に入り、出て、
ドライヤーで髪を乾かして(猫が騒々しそうにみてくる)おやすみ、とインコと挨拶を交わし、軽く明日の支度をしてベットに入ります。
そして、ちょうど布団が暖まってきたころ、二匹の猫が布団にもぐりこみ、それぞれ、お腹の上だとか、わき腹だとか、一番あったかいところで丸くなる。
お腹の上は苦しいから止めてほしいですけど、なんのその、なれました。
目を閉じれば、感じるあったかい二つの熱の塊。
あー明日もがんばろう。
こいつら食わしていかないとなぁ、と私は明日へと活力を得て眠りに落ちました。
こんな日々を過ごしてます。